厚生労働省が行った調査によると、一般国民で人生の最終段階における医療・ケアについてこれまでに「考えたことがある」と回答した人は59.3%と、半数以上に上っていました。
「知識がないため、何を話し合っていいのか分からないから」(22.4%)といった理由が挙がっており、「話し合いたくない」という人は5.8%でした。話し合わなければいけないのは知っているが、いつ、どんなことをすればいいのか分からない。そんな国民の戸惑いがうかがえる結果となっています。
日本人の場合、国民全体として「死」から目を背けてしまう、「死」を考えずに済むようにフタをしてしまう、そういう意識を強く感じます。
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それがどこから来ているのかと考えると、これは前著でも書きましたが、やはり戦争の影響は無視できないと思います。第二次世界大戦で300万人を超える尊い命が失われ、その反省として、命はかけがえのない何よりも大切なものであり、社会的にも命を守ることだけが最重要事項と考えられるようになったのだと思います。