70 歳の就業者の5人に3人が、いまの仕事に満足している と明確に答えている。こ れ は 、 か つ て の 重 要 な 仕 事 を 奪 わ れ 低 賃 金 を 余 儀なくされているという外からうかがえる事実に照らして、 意外な結果といえる。
高齢者が現在の仕事にどのように向き合っ ているかデータを追えば、生き生きと仕事をしている高 齢者の姿が浮き彫りになる。
要するに、定年後の仕事はとても魅力的なものなのだ。ところが、多くの人はそれに気づかない。人々はなぜ 定年後の仕事について、所属企業のステータスやそこ での役職、職業の地位、報酬などの外形的な側面だ けに着目し、それを「とるに足らない仕事」であると見 なしてしまうのか。人々はなぜ生き生きと働けていない定年前の仕事を 定年後の仕事に投影するのか。そして、人々はなぜ夢 中に取り組むことができない定年前の仕事に、定年後 も必死にしがみつくのか。