数年前から政府は、「人生100年時代」を提唱し、それに向けた取り組みを推進してきました。この4月から施行された「70歳就業法」も、そのひとつと言っていいでしょう。「これで仕事が続けられる」と喜ぶ声もありますが、勘違いとしか言いようがありません。なぜなら、人間60歳を過ぎれば、老化のスピードは早まり、日ごとに知力も体力も落ちていくからです。
多くの患者さんを診てきた経験から言うと、75歳を境にして急速に老化します。もちろん個人差はあります。ただ、多くの人が、75歳を超えると、なんらかの疾患に見舞われます。大別すると、がん系か血管系(脳疾患、心臓疾患)のどちらかです。