自立して生活できる年齢を示す指標「健康寿命」というものがあります。健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のこと。
男性は約12年間、女性は約15年間、健康とは言えない状態が続くことになる可能性が高く、その期間は介護保険制度を利用したり、配偶者や子供にも何らかの負担をかけることになります。平均寿命をさらに伸ばすことよりも、健康で暮らせる期間をできるだけ長くすることが、日本の健康政策上もっとも大切なのは自明です。
仮に政府の「高齢者も働け」という掛け声に応えて70歳まで働いてリタイアした場合、平均寿命までは男性で14年間ほどありますが、健康寿命で見るとわずか2年間しかありません。