長年こうしたミドル・シニアからの相談を受け、実例も沢山見て来た私からすると、お金のやりくりとともにやっておくことがあると強調したい。
それは、自分の居場所のやりくりだ。
こと大企業で30年以上働いてきた人であれば、・・お金はなんとかなる場合が多い。
一方、自分が自分らしくいられる居場所はなんともならない場合が多い。早期退職者たちの退職後の相談に乗っているなかで、・・会社が自分にとっていかに居心地のよい居場所であったかに気づけたと語ってくれる人もいる。
そこで、職場や家庭とも異なる、安心して自分らしく居られる第三の居場所(サードプレイス)作りが先決だと感じている。もし、あなたが会社以外に居場所の心当たりがなければ注意信号。デジタルネイティブである若者は、終身雇用をもはや信じていない故に、プライベートな居場所を大切にする意識も強い。若者に学び、ミドルもサードプレイス作りを始めることだ。
人間関係づくりには時間がかかる。
できれば、定年や早期退職の5年前、欲を言うと10年以上前から動くことが望ましい。
また、新たな居場所作りは新しい自分探しであり、違った自分を知ることにも通じていく。
仕事で忙しい最中には、サードプレイスの必要性は感じにくいものだ。しかし、いざ早期退職や定年退職してから慌てて作ろうとしても、難しいものだ。お金のやりくりに安堵して早期退職を急ぐのではなく、サラリーマンのうちから職場や家庭に加えてもう一つの居場所づくりを意識して動いていこう。