人生100 年時代といわれる今日、仕事人生の後半で“やる気”と“居場所”を生み出す仕事術は関心の高い話題だ。
自由記述回答で、ポストオフによって失ったものと得たものを尋ねたところ、「給与」や「期待」、「情報」が失われ、「時間」や「自由」、「余裕」を得たという趣旨の回答が散見された。
ポストオフ前と比較して、ポストオフ後に選択率が大幅に高まる労働価値観は、「自分が楽しめる、面白いと思える」だった。
ポストオフ後に「やる気が下がったまま」になってしまっている人が4 割。
部長・課長のポストオフ後の仕事に対する意欲・やる気の推移を見ると、意欲・やる気が「変わらない」人が3割弱いる一方で、「一度下がった」人は6割近くにのぼり、その内訳として「下がったまま」は4割前後、「一度下がって上がった」は2割前後にとどまった。
ポストオフ後の適応が良好な人たちに特徴的なポストオフ前の準備は、「新しい知識・スキルや専門性を身に着ける」「権威を振りかざさない」「社内の人脈を広げる」。
制度運用によって役職から降りる「ポストオフ」の経験に、ショックや落胆を感じる人は少なくありませんが、反対に、活力を失わない人もいます。
世代や年代で一律にイメージを決めつけることなく、個々人の違いや、環境変化の影響に意識を向けることが重要と言えそうです。
ポストオフ後は、役職時代よりも「曖昧な期待」のなかを生きることを、本人も周囲も自覚する必要があります。役職時代はプレッシャーも大きい反面、期待や価値基準が比較的明確です。