2021年4月に施行された「改正高年齢雇用安定法」。70歳までの継続雇用が努力義務となり、実質的に定年が消滅した生涯現役社会が到来した・・だからといって、70歳まで安泰というわけではありません。定年に備えて準備をしておかないと、定年後に大きな格差が生まれる可能性があります。
多くのメディアでは、こんな言説が相次いだ。「いよいよ生涯現役が当たり前になる」「“定年消滅”時代の到来だ」
私にしてみたら、この「70歳定年」制度は愚策としか言いようがない。今、企業に勤めているほとんどのシニア世代、あるいはこれからシニアになる中年世代にとって、まさしく「百害あって一利なし」であるからだ。
定年が70歳にまで延びることは、企業にしてみたら「本当はいてほしくない人」「そろそろ出ていってほしい人材」をさらに抱えることになる。本来、生き残りをかけてうんとコスト・パフォーマンスの高い若い人材がほしいのに、追い出せないシニアのせいで採れないジレンマを抱える。
それなら転職、あるいは早期退職して再就職に活路を見出そうとするシニアの方も多いかもしれない。しかし、現実は甘くない。