年金制度がガタついて、長く働く必要性が出てきたのに、企業はなるべく早くシニアを追い出したい。しかし、自分の体は、若い世代に比べて仕事ができるとは当然いえない状況だ。人生50年のときは55歳で迎える「形式定年」と「自然定年」が噛み合ってフィットしたが、今はミスマッチが甚だしい状態というわけだ。
 形骸化する「形式定年」と、抗えない「自然定年」にはさまれたシニア層は、身の振り方をどうすればいいのだろうか?
 私は第3の定年を提案したい。「実質定年」──。それは、自分で自分の定年を新たに再設定する、自律的な生き方のことだ。