最低限の資金を貯めたら、その後は資産のピークを決める必要がある。ただし、「金額」を目標にするのではなく「時期」を目標にしなければならない。なぜなら、目標金額に達したら「もう少し貯めよう」と思い続けてしまうからだ。
 老後資金を必要以上に増やそうと働き続けると、お金より貴重な時間と健康を逃してしまう。使い切れないお金を稼ぐために働き続けるのは、本末転倒ではないだろうか。
「いつ頃から資産を取り崩し始めるべきか」は、健康状態と関連している。年齢の割に健康であれば高齢でも身体的、精神的な活動を楽しめる。
人生を楽しむのは老後ではない。
「いつかしたい」と思っている経験を先延ばしにしているうちに、あっという間に年をとってしまうのだ。
 年を取れば取るほど、お金を使う機会は無くなっていく。にもかかわらず、「老後のため」といつまでも貯蓄に注力していたら、いつまで経っても人生を楽しむ日は訪れない。
 人生を最大限に充実させ、たった一度の人生を価値あるものにするためには、お金の「使い時」と「使い方」を真剣に考えることだ。