MIT AgeLab(マサチューセッツ工科大学エイジラボ)の同僚である私とチャイウー・リーが行った研究では、定年退職後の人生を表現するのにどんな言葉を使うかを調査したところ、男女間で決定的な違いがあることがわかった。
中高年や定年世代の男性は「休息」「リラックス」「趣味」など、退職後の生活設計パンフレットに載っていそうな言葉を使う人が圧倒的に多かった。一方、同年代の女性は「自由」「平和」「自分のための時間」などの表現で退職後の人生について語っていた。
明らかに、女性は老後について、仕事人生が終わって遊びの時間が始まるというだけにとどまらない多くのことを見据えている。定年退職後の日々を旅の続きととらえ、自分がやりたいことをじっくり考えたり、後回しにしてきた夢を追いかけたりする時間をようやく得られるであろうライフステージとみる傾向がある。