コロナ禍をきっかけに、自分がなぜ働くのかをあらためて考えた人が大勢いた。その結果として職を変えた人は途方もない数に上る。「グレート・レジグネーション」(大退職時代)と呼ばれる社会現象が生まれたのだ。しかし、転職により、その人たちの仕事に関する幸福感や満足感が実際に高まったかはまた別の問題だ。
具体的には、幸福感と満足感の違いを知ることから出発すべきだ。そして、自分が携わっている仕事のどの側面が、幸福感と満足感のどちらの感情と結びついているのかを検討しよう。そして、自分が仕事のどの側面に最も大きな喜びを感じるのかを考えてみることだ。
以下の3つの問いを手掛かりに考えれば、仕事において自分に最も大きな喜びをもたらせる要素が見えてくるだろう。
1. 仕事のプロセスか、最終的な結果か、自分はどの要素に最も満足感を抱くのか
2. いまの仕事は、自分の価値観に沿っているか
3. 最終的に自分が何を達成したと言えるようになりたいのか
いまのままで仕事と自分の価値観が合致し続けると思えるのであれば、現在のキャリアの道筋を歩み続ければよい。しかし、両者の食い違いが大きければ、いまとは異なる選択肢を検討すべきだろう。